新ニンニク(生ニンニク)について

 新ニンニクは、別名”生ニンニク”と言われることもありますが、日本産で、畑から収穫して乾かすことなくすぐに発送されるものを言います。

ですので、中には珍しく土がついたニンニクにお目にかかることもあります。

ニンニクは普通1年を通してスーパー等の販売店で入手できますが、たいていは、カビが生えたりするのを防ぐために、畑から収穫してすぐに20日~30日間ぐらい乾かして水分を30%ぐらい蒸発させた状態で販売されます。

 一般的にお店で売っているニンニクは、中身の鱗片は普通の状態ですが、よく見ると外の皮はやや乾燥しているのが分かります。採れたてをすぐ出荷する新にんにく(生ニンニク)は、乾かす作業をしていないので、外の皮も適度に水気があります。

まだ畑から採れたてなので、ニンニクの中から徐々に水気が染み出して、ビニール袋に入れたままだと水滴がついてしまうこともあります。

中身の鱗片も、乾燥した通常のニンニクに比べてずっとフレッシュで、そのままで食べると軽い歯ごたえがあり歯切れが良く美味しくいただけます。ですが、ちゃんとニンニクの特有のニオイがあります。

新ニンニクは、乾燥したニンニクに比べて色が白いです。普通のニンニクは、採れたてのニンニクを乾かしていく工程で、どうしても多少なりとも色が濃くなっていきます。見比べてみると、明白です。新ニンニクの方は、土が付着した外の皮を剥くと、中身はきれいな白い皮が出てきます。鱗片も、乾燥させたニンニクと比較するとより白っぽく見えます。

新ニンニクは、香りも新鮮さを感じます。新ニンニクもニンニクの香りがありますが、乾燥したニンニクと比較すると、よりみずみずしさを感じるような香りがします。

生の新ニンニクを切ると、ニンニクのあの独特な香りももちろんありますが、水気が多いからなのかフレッシュな香りも感じられます。この新鮮さを味わえるのが、新ニンニクの良いところです。

もちろん、乾燥させることで保存は効くようになりますが、乾燥させたものは通常のニンニクと同じ状態となるため、それはもう新ニンニクではありません。

新ニンニクは水分が多いため、どうしてもナベやフライパンにひっつきやすいのが、欠点です。新ニンニクは切ると水分が出てきて、とてもベタつきます。ですから、フライパン等で油に浸透させてから徐々に加熱していったとしても、フライパン等にひっついたり、焦げついてしまうことがあるのです。

また新ニンニクは、採れたてのものをすぐに発送するので、新鮮な状態のまま、かなり早くに店頭に並ぶことになります。

生産地によって新ニンニクが出荷される期間は多少違いますが、おおよそ5月から7月ぐらいが目安になります。日本の土地は南北に長いので、平均の気温差が激しいです。ですので、その産地に適した生産しやすい種類のニンニクが使用されます。

青森県等の寒い地域で生産がしやすい寒地系のニンニクの種類の中では、福地ホワイト六片が有名です。特徴は、やや大きく、外の皮は真っ白で、中身の鱗片は、5~7片で成り立っています。

雪の中で冬を越すため、糖度が高くなり、味や香りも濃くなります。

大粒なので、さまざまな料理方法に使えるので、たいへん人気のある種類です。

また、九州や四国等の暖かい地域で生産しやすい暖地系のニンニクの種類は、早生(わせ)がほとんどです。

この種類は、多少小さめで中身の鱗片は、8片から12片ほどあります。外の皮は、薄紫色をしているものもあります。味や香りがソフトなので食べやすいのが特徴です。

特に九州で多く生産されている種類は、嘉定種(かていしゅ)です。

ニンニクの在来種で、早生と同じく小さめですが、味や香りが濃く、成分も濃厚なニンニクです。

新ニンニクを買う場合、種類を調べておくと、味や大きさがだいたい分かるので安心です。

新ニンニクでも、乾燥したニンニクと調理方法はほとんど同じです。

でも、せっかくの新ニンニクを手に入れたなら、いつもと違い、新ニンニクのみずみずしさをダイレクトに味わいたいですよね。新ニンニクの皮を剥き、薄切りしたものをそのまま食べてみてください。お好みのミソやタレをつけて食べると美味しく召し上がれます。

また、カツオのたたき等に添えるのも良いでしょう。いつものニンニクより、フレッシュさを味わうことができるでしょう。ただ、辛味がダイレクトにくるので、辛いのが苦手な方はラップをせずに30分以上置いてください。辛味の成分を蒸発させることで、多少マイルドになります。

どちらにせよ、生のまま摂取するのは刺激が強力ですので、胃腸壁を保護するためにも、1日1片以上は摂取しないように控えめにしてください。

新ニンニクの食べ方の秘訣

 新ニンニクを丸ごと油で揚げて食べるのもおすすめします。外の皮を剥いて、中身をバラバラに分けて、180の油で7~8分ほど揚げてください。お好みで塩こしょうしても良いでしょう。辛味は感じず、ニンニク元々の甘さが引き立ち、ホクホクした感じがじゃがいものようです。熱を加えていますので、ニオイも少ないのが嬉しいですね。

もっと手軽に加熱料理をするのであれば、ホイル焼きもおすすめです。アルミホイルに皮を剥いた新ニンニクをおき、ゴマ油を振り入れたら、グリルで弱火で焼きましょう。

焦げ目の様子を見ながら、全体的にキツネ色になるまで焼きます。最後に塩こしょうをして味つけします。ゴマ油の代わりにバターでも良いでしょう。

新ニンニクに火を通すと、乾燥した通常のニンニクとは違う、ホクホクした食感とねばっこい感じがより強く出ていて、ますますフレッシュさを感じられます。

1年のうち数週間しか入手できない、貴重な新ニンニクですが、欠点は、賞味期限が1週間ぐらいしかもたないということです。

普通の乾燥させたニンニクなら、きちんと保管すれば数ヶ月は日持ちします。

しかし、新ニンニクはたくさん水気があるので、生野菜と同様に扱わなくてはなりません。

新ニンニクの賞味期限は、冷蔵庫に入れて1週間から長くても10日ほどです。

新ニンニクは、入手したらすぐに食べるのが新ニンニクそのものを満喫する一番良い方法です。

またニンニクにとって、もっとも良い保存状況は、気温0前後、そして、乾燥していて直射日光が当たらない冷暗所で保存することです。そうなると、一般家庭では、冷蔵庫の中が一番適しています。

新ニンニクは、乾燥したニンニクと違って、中身から徐々に、水気が出てきますので、湿り気でカビが発生しないようにニンニクを新聞紙等に包んでからビニール袋に入れて保存してください。湿気を追い出すために、ビニール袋の口は開けておいてください。

もしも、一気に食べきれないほど、新ニンニクを買ってしまったり、もらったりした場合は、あえて乾燥させてしまうか、漬け物にしてしまいましょう。もはや新ニンニクとは呼べなくなりますが、長期保存ができて、おいしくいただけます。ニンニクを乾燥させるには、ニンニクをバラバラにしないで、そのまま丸ごと風通しのよいネット等に入れて、直射日光が当たらないような場所で(日陰で)30日間干すようにしてください。

ただ、雨が降ってしまって、雨粒で濡れたり、ずっと晴天に恵まれなかったりすると、上手に乾かすことができない場合もあります。

 また、新ニンニクの皮はとてもきれいで柔らかそうなので、食べられるのでは?と勘違いする方が多いです。もちろん食べても害はないですが、美味しくはありません。乾燥したニンニクと同じように、外の皮も薄皮も全部剥くようにしてください。

皮はボソボソと口に残るので、きれいに剥くようにしましょう。心配しなくても、新ニンニクの皮はパサパサしていないので、乾燥したニンニクよりも簡単に剥くことができます。

新ニンニクは通常の乾燥したニンニクと違うフレッシュな美味しさがあります。タイミングを逃すと、また1年後になってしまうのもあって、新ニンニクを楽しみにしている方も多いと思います。新ニンニクならではのフレッシュさをぜひご賞味ください。ニンニクはこのような味だったのかと、きっとビックリするでしょう。新ニンニクを味わうためには、タイミングを逃さず手に入れ、なるべく早めに食べきりましょう。そして、くれぐれも食べ過ぎには気をつけてください。

高血圧にはニンニクがよいというニュース

 特に冬の寒い時期は、からだの全身から熱を奪わないように、あらゆる血管が収縮して、ますます血圧が上がり気味になります。血圧が高くなると、脳の病気や心臓病の原因にもなるので、気をつけたいですね。血圧を急激に上げてしまう危険な6つの行為を次に挙げましたので、これらの行動は避けるようにしてください。

 ①起床後、朝一で冷たい水を飲むこと

 起床後は、血圧が上がりやすくなっているので、冷たい水を飲むと、血管がますます収縮して、急激に血圧が上がってしまいます。逆に暖かいお湯を飲むと、血管が広がるので、血圧が上がるのを抑えてくれます。

 

②お風呂に浸かるお湯の温度が高い

 特に朝風呂でのお湯の温度が高いと、急な熱さにからだが驚き自律神経が乱れてしまいます。その結果、血圧が上昇してしまうので、ぬるめのお湯に浸かるように心掛けてください。

③早食いをする

 早食いをするということは、激しく噛むという行為ですので、運動していることと同じになるそうです。心拍数が上がってしまうので、それにつれて血圧も上がってしまいます。ゆっくり噛んで食べるようにしましょう。

④薄着をして、防寒対策を怠る

 特に冬の寒い時期に薄着で防寒対策をせずに外出したりすると、家の中の温度と外気温の差が激しく、血管が収縮してしまい、血圧が上がる原因となります。寒暖差が激しい時期は、しっかり防寒対策をしてください。

⑤ひとりカラオケ

 ひとりカラオケが流行っていますが、ずっとひとりで歌い続けるのは避けたほうがよいでしょう。楽しくなってハイテンションになり歌い続けると、血圧が上がってきてしまいます。適度に休みを入れながら、歌うようにしてください。

⑥ストレスは大敵

 人はストレスを感じると、副腎からコルチゾールというホルモン物質が出ます。その結果、血管が収縮して血圧が上がってしまいます。気持ちを落ち着けるよう、ストレスと上手に付き合ってください。

ニンニクにはアリシンという物質が含まれています。このアリシンに熱を加えると、硫化アリルという物質に化学変化します。硫化アリルは、赤血球と結びつくと硫化水素に変化し、これが血管を拡張する作用があるので、血圧を下げてくれるのです。食べ物の中で硫化水素を作り出し、からだに影響を与えるのは、なんとニンニクだけだそうです。

血圧を下げるのにもっとも効果的なニンニクの摂取方法は、ニンニクオイルとして食べることだそうです。

あるテレビ番組で、「冬の高血圧」というテーマでニンニクオイルが紹介されていました。高血圧を防ぐのに有効だとされているニンニクオイルを食べて、高血圧が回復されるのかを検証していました。

個人差はあるでしょうが、番組内での実験では、ニンニクを1週間摂取することによって、血圧が10mmHgも下がっていました。

ニンニクを毎日摂取するにあたり、ニンニクオイルは重宝したようで、肉や魚にソースとしてかけたり、ガーリックトーストやニンニクライス、パスタ等いろいろな献立に役立てていました。ニンニクオイルは、ニンニク一個分(みじん切り)をオリーブオイル50gで2分ほど炒めるだけで出来上がります。番組では、うどん、牛肉、刺身、サラダ、豆腐、スープ、シーフード等にもかけていました。ぜひお試しください。

ニンニクで温湿布になる?!

 ニンニクに入っているアリシンという物質は、気持ちをリラックスさせたり、血の巡りをスムーズにする作用があります。そのため筋肉の強張りや血の巡りが悪いことによって起こる肩こりにも、ニンニクの力を発揮できるのです。

現在では、パソコンを使ったデスクワークは欠かせませんし、スマートフォンをもつ人が増え、肩こりに苦しむ人は少なくありません。そんなとき、普通の湿布薬ではどうしても肩こりが治らないという方には、ぜひニンニク湿布をおすすめします。

ニンニク湿布はお風呂上りに貼るのがベストです。長い間、肩こりが治らない場合は、ニンニク湿布だけでなく、ぜひ率先してニンニクを食べるようにしてください。

 ニンニク湿布の作り方は次のとおりです。ガーゼ等にすりおろしたニンニクを塗ります。そしてその部分を肩こりがひどい部位に貼ります。より効果を高めたい場合は、ガーゼの上から使い捨てカイロ等をあて、肩を温めてください。15分ぐらい貼ることで、肩の血流を良くする効果があります。

ですが、独特なニオイが臭い、肌が敏感という方は、ニンニクと小麦粉を混ぜたものを貼るようにしてください。そのようにすることで、ニンニクの効果が少し弱まりますが、肌には優しくなります。

ニンニク利用方法とは?

 みなさんは”ニンニクネックレス”の話を聞いたことがありますか?

以前テレビコマーシャル等でも取り上げられていたこのニンニクネックレスは、ロシア等で実際によく利用されているものとして有名です。本当に使われているの?と疑問に思う方もいるでしょう。そしてどんな効能があるのでしょうか?

ニンニクネックレスはロシアやヨーロッパ北部の地方で昔からの習慣として利用されてきました。ニンニクを摂取するだけでなく、ニンニクを数珠つなぎしたネックレスを身に付けることで、風邪等の感染症を防いでくれると信じられています。ネックレスに限らず、病気の方の枕元にニンニクを置いておくだけでも同じような効果があると言われています。

 そもそも、ロシアは2013年ごろは、ニンニクの栽培量が世界第5位というニンニク大国でした。ロシアでは、まさにニンニクは、”ペニシリン”(抗生物質の種類)と言われるほどよく知られている野菜です。ロシアでは、実際に世界大戦の時に怪我をした兵士を手当するために、ニンニクの成分の働きが利用されていました。現代使用されているいわゆる本当の抗生物質の役割を果たしていました。また、ソビエト連邦の時代には、税金の代わりにニンニクを納めることもあったと言われているほどです。

 ニンニクの成分には、交感神経を優位に働かせる作用があり、毛細血管を拡張する働きがあります。血の流れをスムーズにするので、体をポカポカにする働きがあります。ですから、極寒のロシアでは、ニンニクはなくてはならないものなのです。

また、ニンニクに入っている成分にアリシンがあります。アリシンは、強力な殺菌作用やカビを除去する働きがある物質です。これらの効果効能から、風邪等の感染症を防ぐとされ、ロシアでは重要な野菜だとされてきました。

 重要な働きをするアリシンが含まれるニンニクですが、ネックレスとして身につけただけで(ニオイだけで)、このような効果効能はあるのでしょうか?ニンニクネックレスを身に付け、ニンニクのニオイを嗅ぐことで多少鼻づまりなどは解消されるかもしれません。

ですが、アリシン等はニンニクを食べたりすることで、効果が発揮できるようになります。ニンニクを切る時に感じる、鼻を突くニオイの中にこそ、アリシンが多く入っていますので、身に付けるよりは食べてアリシンという成分を引き出したほうが、風邪等の感染症を防ぐ効能があるのです。

日本でもロシアと同じように、風邪をひいたときは、首に葱を巻くと良いというような知恵があります。ニンニクは、昔から三重県・志摩の海女さんが栄養分を補給し、健康維持のために自宅で育て、毎日食べるようにしていました。

ニンニクを毎日食べている海女さんは、体温をキープすることができるので、長い時間素潜りすることが可能になるそうです。水温が低い海に潜る前には必ず海女小屋でニンニクをアルミホイルに包んで炭火で焼いたものを食べて、体をポカポカにしていたようです。現在では、炊飯器で蒸して黒ニンニクを作るようにし、それを食べているそうです。

さらに、海女さんは、毒クラゲ等に襲われないよう、ニンニクを上手に利用しています。皮を剥いたニンニク2~3片を網の袋に入れたものを腰につけて潜るようにすると、毒クラゲ等は逃げていくそうで、怪我の予防になるとのことです。

 また、貝がらや岩等でできた切り傷に、消毒としてニンニクを擦りつけることで治りがはやくなることが知られています。これも殺菌効果があるニンニクの成分アリシンのおかげです。

世界中には、いろいろな健康方法があります。中には私たち日本では理解に苦しむ方法も多少なりともあります。しかし、昔からその健康方法が言い伝えられてきたのは、何か根拠があるのではないかと思われます。

ニンニクの昔からの「言い伝え」あるある

 ある地域の言い伝えに、ニンニクを軒の先端に吊るしておくと”疫病が入ってこない”というものがあります。じゃがいもや人参ではなく、どうしてニンニクなのでしょうか?

お年寄りたちにお話を聞いてみたところ、「小学生のときに、腰の部分にニンニクを入れて縫ってもらった着物を着て、通学していました。

当時結核が流行っており、結核は不治の病とされていて、大変怖かったので、ニンニクをお守りのように身につけていました。」「小さい頃、コレラや赤痢等の病気にかからないために、ニンニクを着物に入れて、縫い込みました。」「通学時、病気が伝染らないようにニンニクを小さな袋に入れ、腰につけて持ち歩きました。」などと仰っていました。

ニンニクは、当時、食べ物というよりは、お守りのように身に付けたり、家の玄関に吊るすことによって、疫病除けにしていたようです。またほかの地域でも節分には、イワシの頭や柊、ニンニク、トベラをドアにとりつけて、鬼を追い払うという習わしがありました。

 日本人が、現在のようにニンニクを頻繁に食べ始めるようになったのは、戦後のことであり、それまでは、精のつくものとして利用されていただけでした。ですが、疫病除けとしては、ずっと昔から利用されていたと思われます。

 1930年ごろ、当時モスクワの研究所に所属していたトーキン博士は、植物が傷つくと、その周辺にいる微生物の活動を停止させるような化学物質(フィトンチッド)を放出するということを発見しました。いま流行りの森林浴というのも、このフィトンチッドに接することで癒しや爽やかさを感じることで健康を維持する方法のことをいうのです。

トーキン博士は、ニンニクの微生物に抵抗するための効能には驚嘆するようなものがあり、人間にとって有害となる細菌に対して、ニンニクのフィトンチッドで退治できないような菌は、今のところないだろうと述べています。まさに、ニンニクの言い伝えを迷信ではなく、科学的に証明できたようなものです。

 古代エジプト人たちは、葱とニンニクをたくさん栽培してきました。インド、中国そしてチベットの医学では、葱とニンニクが薬として使われていました。ロシア人もニンニクのもつ効果効能をよく知っていたと言われています。

医学は、目まぐるしい発展を遂げていますが、これらの民間療法は、病気と向き合いながら、人々が蓄積してきた経験によって引き継がれてきたものです。フィトンチッドの発見によって、たくさんの植物のもつ力が、ある程度解明されてきたのです。

日本で戦後、ジフテリアが流行したときにも、ニンニクの汁を薄めてノドに塗ったおかげで、死なずに済んだという話もあるほどです。

二日酔いにはニンニクを

 せっかく楽しんだ飲み会を台無しにしてしまうのが、翌日にくる二日酔いです。

つらい二日酔いの症状を断ち切るために、ニンニクの成分が効果を発揮してくれるのです。ニンニクの成分は、アルコールを分解するときに重要な役割をしています。次に、二日酔いとそれを解消するニンニクの効能についてお話します。

 まず、二日酔いとは、昨日のお酒がまだ分解されず、体にとどまっている様子をさします。

実はアルコールを分解する速さは個人差があります。

それはエネルギーの代謝がかなり関係しています。アルコールをどれだけ早く分解できるか(代謝できるか)が二日酔いを防ぐコツになります。

一般的にアルコールは胃と腸で主に取り込まれ、肝臓で分解されます。肝臓で害のないものに変化させてから血管に送り出し、筋肉や内臓でまた分解をし、最後に尿やおならで体の外へ放出させるのです。

こうしたプロセスで、アセトアルデヒドという成分が生成されますが、これはかなり有毒な性質をもつ成分物質です。

頭痛やむかつき、からだがだるい等の原因となるこのアセトアルデヒドが、上手に分解できず体の中にとどまってしまうことが二日酔いの原因だとされています。

肝臓がアルコールを分解するときには、ビタミンB1が必要となります。ビタミンB1はアルコールを分解するのを助けてくれる大事な成分です。

ですが、多量のアルコールを摂取すると、体の中のビタミンB1がアルコールを分解するスピードに追いつかず、足りなくなってしまうことがあります。ビタミンB1はアルコールに入っている糖質も分解することで代謝を促進させる作用があるので、足りなくなってしまうとアルコールが分解できずいわゆる二日酔い状態に陥るのです。

ニンニクはこのビタミンB1がたくさん入っていて、ニンニクを食べることで、どんどんアルコールを分解する働きを助けてくれるのです。

また、ビタミンB1と結びつく特性があるアリシンという物質もたくさん入っているので、結びつくことで腸へ取り込む率が上昇するアリチアミンという成分に化学変化させることが可能です。

アリチアミンはたくさん取り入れすぎても、ビタミンと違い、血液の中に蓄えておくことができるので、長い期間アルコールを分解し続けるのに有効なのです。ニンニクはアルコールからからだをケアしてくれる力強い食材なのです。

この万能なニンニクの効能をどうしたら可能な限り発揮させることができるでしょうか?次にたいへん有効なニンニクの食べ方をお話します。

 ニンニクは野菜ですから、なるべく新鮮なうちに取り入れるようにして、アルコールを分解させるのに役立てなくてはなりません。できれば、アルコールを摂取する前におつまみとしてニンニクをたべることが好ましいです。

二日酔いになってしまってからニンニクを食べても、人によっては胃腸が荒れてしまうこともあるようですので、気をつけてください。

また、一般的に肝臓を強くする食品と言われている枝豆や納豆、豚肉等は、ビタミンB1がたくさん入っています。もちろん他の食品にも肝臓や胃を守り、アルコールの分解に役立つ食品はいろいろありますが、ぜひニンニクと相性がピッタリのビタミンB1がたくさん入っている食品とともに食べるようにしてください。たいへん代謝の効率がよくなります。いろいろな食品を試してみて、あなたにピッタリのものを発見するのも面白いですね。

ビタミンB1は水に溶けやすく熱に弱いので、高い温度の油等で火を通すと、効果が半減することもあります。つまりは、あまり火を通さない料理のほうが効果を発揮するのです。効果を最大限に活かす場合は、生のニンニクを丸ごとそのまま食べるのが好ましいですが、せめて生のニンニクをすりおろしたり、刻んだりしてほかの食材と合わせて料理すると良いでしょう。

二日酔いは、たいへんつらく、仕事や家事に支障をきたします。お酒を飲みすぎないのはもちろんですが、ニンニクを毎日摂取することでも二日酔いを防いでいきましょう。

ニンニクと自律神経の関係とは

 ニンニクに入っている物質には、自律神経を安定させるために働きかけるものもあります。そもそも、自律神経とはなんでしょうか?からだの調子が悪い時に、自律神経の乱れによるものと病院で診断される方も多いと思います。

そう言われても、自律神経の乱れを正常にするには、どうすれば良いのかわかっている方はそれほどいないと思われます。自律神経とは、自分の考えで動かす神経ではなく、交感神経と副交感神経の2つのことをさします。

これらの神経は、血液や内臓等が止まることなく正常に動くには不可欠な神経で、それに加え、呼吸や体温を調整する機能、ホルモンバランスを整える等生きる上で大切な働きをサポートしています。

つまり自律神経が乱れている、というのは、プレッシャーや疲労、睡眠不足等がきっかけで交感神経と副交感神経のバランスが正常に働かず、うまく機能できないことをいうのです。

ニンニクに入っているアリシンという物質とビタミンB1には、いろいろな効果がありますが、その中の一つに自律神経の乱れをただす作用も含まれます。

この効果が血液やストレス・疲労などにうまく働きかけることで、自律神経の乱れを解消できると言われています。アリシン、ビタミンB1には次のような効果が期待できます。

  1. ビタミンB群(特にB1)による疲れをとる働き
  2. アリシンから作られるスルフィド系による動脈硬化を防ぐ働き
  3. 血液サラサラ効果による冷え性の改善
  4. 免疫力をアップさせる(NK細胞を活発にする)ことで血液や内臓の働きを支える

このような効果効能が両者に働きかけることで、交感神経と副交感神経のバランスを保つことになるのです。

また、自律神経のバランスを保つためには、ニンニクの中でも黒ニンニクを食べることをおすすめします。

黒ニンニクには上記でお話した4つの効果効能の他にも、たくさんのポリフェノールやSアリルシステインという物質の作用による活性酸素を除去してくれる効果もあります。活性酸素がからだの中に多くとどまってしまうと、細胞の老化につながり、疲れが溜まってしまう元となってしまいます。

そして当然ですが、これらの症状も自律神経のバランスを乱す原因の一つとなるので、普段から気をつけるに越したことはないのです。

女性にもニンニクをおすすめする理由

 髪の毛が乾燥してパサパサする、肌にツヤがなくなってきた、PMS(月経前症候群と呼ばれるもので、月経が始まる3~10日くらい前ごろからイライラや腹痛、頭痛等の嫌な状態があること)が悪化している感じがする…。

一度はこれらのような経験に悩まされている女性も多いと思います。そんな方のために、女性ホルモンを整える方法をご紹介します。

・月経中に行いたいケア:温湿布等で目を温めることで、頭の緊張が和らぎます。目は造血作用のある肝臓と関連しているので、目元のケアをすることにより、生理中に重要となる血流が良くなります。リラックス効果も加わるので一石二鳥です。

・月経中に食べておきたい食材:じゃがいもや人参等の根菜類、しいたけや舞茸等のキノコ類、そしてニンニクを食べましょう。不要になったものを体からたくさん排除していくタイミングなので、ニンニクや根菜類等、解毒効果のある野菜や、食物繊維がたくさん含まれているキノコ類を食べることで排除するのに役立ちます。

・月経中のお風呂の入り方:基本は、ぬるめのお湯にのんびり浸かり、リラックスするようにしましょう。経血量が多い場合は、シャワーにするなど臨機応変に対応してください。

・月経後に行いたいケア:起床後すぐの手浴がおすすめです。目覚めた直後、交感神経を優位にするように手浴をしてください。洗面器にお湯を入れ、柑橘系やローズマリーのアロマオイルを12滴垂らして、手首まで浸けてください。心が落ち着きます。

 月経前には女性ホルモンの1つであるプロゲステロンというホルモン物質が増えてきます。

プロゲステロンには皮脂の分泌を促進させる作用があるので、どうしてもニキビができやすくなってしまいます。

また油っこいものや甘いものが食べたくなるときでもあるので、いつもより脂質を多く摂取しているのも、ニキビができやすくなる原因の一つです。

脂質を体脂肪や血液の中の成分として留めたり、分解してエネルギーとして燃焼させるにはビタミンB2が必要になります。この作用がうまくいくと皮脂の分泌が抑制されてニキビができにくくなります。

ビタミンB2とともに摂取したいのがビタミンB6です。なぜならきれいな健康な肌を生成するのに不可欠な栄養素だからです。ビタミンB6は、肉や魚、ニンニクにたくさん含まれる成分です。

 また月経前になると手足が冷えるという方も多いと思います。ニンニクに含まれるスコルジニンという成分は、血流を良くする効果があります。生理前にもぜひニンニクを食べて冷えを予防してください。あらかじめ、生のニンニクをすりおろし、冷凍しておくとすぐに使えて便利です。

 また、月経前にどういうわけか気持ちが落ち着かなかったり、ムシャクシャしたりすることはありませんか?月経前の症状を調査してみたところ、なんと90%以上の女性が月経前に何らかの嫌な症状を感じるんだそうです。このような症状のことを月経前症候群(PMS)といいます。このPMSの症状を和らげる作用があるとされているのが、ビタミンB6という成分です。

 月経前症候群(PMS)とは、女性ホルモンが関わっており、月経の3日〜10日ほど前に起きる身体的や精神的な嫌な症状のことをいいます。もちろん症状には個人差がありますが、有名な症状として、次のようなものが多く見受けられます。

・身体的な症状:頭痛、腹痛、便秘、冷え、肩こり、腰痛、にきびや肌荒れ、むくみ、目眩等

・精神的な症状:ムシャクシャする、気分が沈む、不安を感じる、外出したくない、だるい、涙もろい、集中力がない、無気力、眠い等

 PMSは、約28日の周期をもつ女性ホルモンが深く関連していると考えられています。 まず、月経が開始されてから約14日前後に排卵があります。

その排卵日までは妊娠の準備期で卵胞ホルモン物質であるエストロゲンがたくさん放出されますが、それと同様にホルモンの放出は神経伝達物質であるセロトニンの放出と比例して多くなります。

セロトニンは気持ちを落ち着かせる成分でもあるため、別名”幸せホルモン”とも呼ばれています。気持ちを前向きにし、精神を落ち着かせる作用があるため、セロトニンが放出されるこのタイミングは気持ちよく、気楽に過ごせるということです。

 いっぽう、排卵日以降は妊娠を続けさせるように卵胞ホルモン物質であるエストロゲンの放出は低減して、代わりに黄体ホルモン物質であるプロゲステロンが放出されます。

この卵胞ホルモンの低減とともに、前述のセロトニンの放出も低減することで不足しはじめ、イライラしたり不安感を持つようになってしまうのです。

また排卵日を境目としてホルモンが大きく入れ替わることで、自律神経自体も乱れやすくなります。その結果、体にいろいろな不都合が起こるようになります。このようにして、女性の体の中で変化が起こり、PMSという症状がでてくるのだと考えられています。

つまり、PMSは病気というわけでも、自分だけが変わっているわけでもないのです。

 ところで、このPMSの症状を和らげる作用があるビタミンB6とは具体的にどのような成分なのでしょうか?

ビタミンB6はもともと、食事で摂取したタンパク質をアミノ酸に分解し、また体を作るためのたんぱく質にリフォームされるのを助けてくれる栄養素で、つまりきれいな肌や髪の毛を生成するのに必要不可欠な成分のことです。

では、ビタミンB6がなぜPMSに効くと言われているのでしょうか?それは、先ほどあげた幸せホルモンであるセロトニンを始め、神経伝達物質の生成にビタミンB6が深く関連しているからです。女性は元来、男性と比較してセロトニンを放出する分量が少ないので、たくさんビタミンB6を摂取することが、セロトニンをどんどん生成できることに繋がり、そしてその結果、気持ちを落ち着かせることができるようになるのです。

ビタミンB6がたくさん入っている食材はなんでしょうか?ビタミンB6は主に肉や魚等の動物性タンパク質に多く入っています。(レバー、牛肉の赤身、鶏のササミ、カツオ、マグロ、鮭、サンマ、イワシ、サバ、バナナ、サツマ芋、ニンニク等)

ビタミンB6は光や酸化を避けなければならない弱いビタミンなので、これらを購入したら、できるだけ早めに料理してしまいしょう。

また、月経痛のつらさは分かっていても、その原因を理解している方は少ないでしょう。月経痛というのは、わかりやすく言うと、子宮を収縮させて経血を外へ排出するときに起こる痛みをさします。

ただ月経痛は、個人差があります。ではどういうときに月経痛はひどくなるのでしょうか?ひとつは経血の経路である子宮頸管が狭い場合です。狭い場所から出口を押し広げて経血を出さなければならないため、子宮はより激しく収縮しなければなりません。ですので、月経痛がひどくなるのです。

若い女性や出産したことのない女性は、一般的に子宮頸管が未熟で狭い上に硬いケースが多く、ひどい痛みがともないがちです。

 もうひとつは、経血を円滑に出すために放出されるホルモン物質であるプロスタグランジンが多い場合です。

プロスタグランジンには子宮の収縮を起こさせたり、痛みや炎症を引き起こす働きがあると言われいて、これが多く生成される体質を持っている人は、経血を排出する力が強力すぎて月経痛をひどくしてしまうのです。

思春期を過ぎ、大人になっても、いつまでも月経痛に悩む人は、プロスタグランジンが異常に多く放出されるのが原因だと思われます。

からだが冷えて血の巡りが悪くなると、このプロスタグランジンの放出量が多くなり、それに伴い月経痛がひどくなります。たいていは、下腹部が痛いだけでなく、頭痛やむかつき、胃の痛み等を引き起こすこともあります。

またプレッシャーが原因となり、痛みが強くなってしまうこともあります。あまりにも痛みがひどく普段の生活に支障が出るのであれば月経困難症かもしれませんので、早めに病院を受診してください。

また、正常な月経の周期は25~38日で、月経が続く期間は3~7日です。そして個人差はありますが、経血量は50~150g(牛乳瓶1本ほど)です。一般的に、経血の出血は2日目が最も多いとされ、だんだん減っていきます。

月経不順や経血量が多すぎたり、少なすぎるときは、子宮筋腫、子宮内膜症等の病気の可能性もあるので、早めに病院を受診しましょう。

 また、月経痛と食べ物は関係ない、と考えていませんか?それは間違いで、月経痛を緩和するには、食生活が大事になってきます。日常的に血流を良くする食品を率先して食べることで、冷えを感じなくなり、毎月ある、月経痛の辛さや痛みから開放されます。

その代表的な成分物質が、末梢の血管を広げることで血の巡りを良くするビタミンEです。別名”若返りのビタミン”と呼ばれるように、ビタミンEにはからだの衰えを防ぐ酸化を抑える働きがあり、ホルモンの放出を調節する作用もあると言われています。ナッツ類やゴマ、パプリカ、アボカド、カボチャ、ウナギ等、ビタミンEをたくさん含んでいる食材を意図的にたくさん摂取するようにしましょう。

また、玉ねぎやニンニク、ニラに入っているアリシン、ショウガの辛味成分のジンゲロール等も、血の巡りを良くする作用があります。これらのいわゆる香味野菜も、日常の食生活にうまく活用してください。

 そして月経中は経血を排出するため、貧血気味になる方も多いです。豚レバーやヒジキ、アサリ等、鉄分をたくさん含んでいる食材を摂りましょう。

また造血のビタミンと言われるビタミンB12には赤血球を作り出すのを手助けする作用があります。ビタミンB12をたくさん含んでいる食材は、アサリやシジミ、焼きのり、マグロ等が有名です。

このように月経痛の原因であるホルモンバランスの乱れや冷え、血の巡りが悪い等は、日常の食事によってある程度回復することができます。月経痛をうまく乗り切れるように、毎日の食生活をきちんと管理したいですね。

ところで、月経痛は思春期に多いイメージですが、年齢は関係あるのでしょうか?

年をとるとともに子宮も生育して子宮頸管が大きく柔らかくなるため、普通は、月経痛は軽減されていく場合が多いです。

ただ月経痛というのは、出産の経験があるかないかによっても程度は違いますし、生活習慣等によるホルモンバランスも関係してきます。ですので、10代より30代の方が月経痛が軽減されるとは限らないのです。

月経痛がひどい場合、鎮痛剤を飲んでばかりいると、いざという時効かなくなりませんか?と心配する方がおられます。ですが心配はいりません。痛みがひどいときは、我慢せず薬を利用しましょう。

それにも関わらず、薬を飲んでいるうちに、効きが悪くなったと感じるようなら、いつもより冷えやプレッシャーが強い等、からだの調子がいつもより悪く、月経痛がよりひどくなっているかもしれません。もしくはほかの病気の前兆かもしれません。

ですので、薬を飲んでも効かないからといって、薬の量を増やすのはやめてください。我慢をせずに、病院で診てもらいましょう。

男性の更年期障害にもニンニクって?

 かつて仕事や遊びに大忙しだったバブル世代と呼ばれる世代は、今では40~50代になりました。年齢とともに意味もなく焦燥感を感じたり、涙もろくなったり、不安になったり、疲労がたまりやすくなったりすることはないでしょうか?もしかすると、男性ホルモンが低減することによる男性更年期障害の可能性ということもあります。

男性の更年期障害は、精巣で生成される男性ホルモン(テストステロン)が少なくなることが原因とされています。更年期障害とは、心や体、性機能に不都合な症状がでることです。

心の分野では、やる気が出ない、不安を感じる、焦燥感がある、うつやよく眠れない等の症状が出ます。体の分野では、筋力が衰える、脂肪がつきやすい、疲れがとれない等の症状が現れます。性機能では、ED(勃起障害)や性欲がなくなる等の症状が出ます。

女性の更年期障害は、閉経して女性ホルモンの分泌がなくなってから起こります。テストステロンは年齢を重ねるとともにだんだん少なくなり、それに伴う症状の出方も緩やかですが、一定期間で終わるわけではない点が、女性の更年期障害と違います。最近は、男性の更年期障害をLOH(性腺機能低下)症候群と呼ぶこともあるそうです。

テストステロンは年齢を重ねること以外にも、ストレスを多く感じることでも少なくなるので、30~40代でLOH症候群になる場合も多くあります。血液検査でテストステロン量を測定できますので、心配な方は、病院で検査してもらいましょう。

 LOH症候群は、男性ホルモンの注射や塗り薬で治療していきますが、日常の食生活でもほとんどは予防することができます。玉ねぎやニンニク、ニラ等に入っているアリシンという成分はテストステロンの量を増加させる効果があります。

豚肉等のビタミンB1とともに食べるとなお効果的です。もつ鍋やギョーザ、レバニラ炒め等、以前から滋養強壮食といわれている食べ物が最適です。また筋力が衰えないようにすることが大事です。マラソン等のような有酸素運動をするよりも、筋トレのような無酸素運動を主にしたほうが良いでしょう。

トレーニングジムでは、最近、30~50代の男性会員が増加しています。ダイエットをする目的で女性の間で流行っているピラティスですが、姿勢が良くなる効果があり、自律神経の乱れを整えるので、筋肉トレーニングやヨガ等も取り入れながら、ホルモンバランスを正常化し、息抜きができて良いと中高年男性にも評判が良いです。

仕事帰りにジムに寄ってからだを動かすと、リフレッシュできてかえって疲れが取れるという理由で通っている男性も多いです。

またある大手企業では、男性更年期に注目して、男性の更年期障害の診断サイトを開設しています。”仕事中でも、体が重い””集中力が続かず、仕事でミスをした”体は疲れているのによく眠れない”等のLOH症候群の診断項目が挙げられています。診断基準は明確にされていませんが、”はい”が多いときは、病院で詳しい検査をすることをおすすめしています。中高年男性が一人で悩まず、気軽にチェックすることで、男性更年期を考える良いきっかけになると思います。

ニンニクのニオイが気になる

 ランチにオーダーしたパスタにニンニクがたくさん入っているのを見て、心配になったことはないでしょうか?ギョーザ店、焼肉屋、ラーメン屋で、ニンニクを思いっきり食べたいけど、その後の仕事が気になり、ニンニクを避ける方は多いと思います。あの独特のニオイを気にせずにニンニクを思う存分食べるにはどうしたら良いでしょうか?

 対策をたてるにはまず、原因を突き止めましょう。

ニンニクのあの独特なニオイの原因は、アリシンというニンニクに含まれる成分です。ある大学の教授はニンニクは、自分自身から外敵を追い出すために、独特なニオイを発する力を作り出したのだと説明しています。

ニンニクには、細胞のほぼすべてに含硫アミノ酸というニオイの出処があります。ですが、これにはニオイはまったくありません。

ですが、刻んだり、すりおろしたりしてキズをつけると細胞が崩壊し、細胞の中にあるアリイナーゼという酵素と結合して、アリシンができるのです。これがニンニクの辛味であり、通常の気温では、化学変化をしてあの独特なニンニクのニオイに変化します。

ニンニク料理を食べたら、まず口の中にニオイが広がります。そしてニンニクのニオイの成分が腸からからだに吸い込まれ、血流とともに全身をまわり、肺等からもニオイが発せられるため、翌日になっても口臭や体臭がするのです。

この独特なニンニクのニオイを軽減する方法はないのでしょうか?ある実験をしてみました。実験の方法は、まず、ニンニク1片を薄切りにして電子レンジで熱を加えてから食べます。次にニンニクのニオイを軽減するような食材を食べたり、歯を磨いたり等の対策をします。そして対策をしてから30分後、口臭チェッカーでニオイを測定しました。

口臭チェッカーとは、センサーに息を吹くとニオイを測定して0~5までの数値で表してくれます。ただ、歯磨き粉等のニオイも測定してしまうのが欠点です。実験は、朝と夜の1日に2回測定しました。

最初に実験したのは水です。朝一番に、目覚めて口を水ですすいだ後に、ニンニクを食べてから水を飲みます。朝から口の中に、ニンニクのニオイが広がります。案の定、30分後に測定してみると、”強いニオイを感じる場合がある”という3の数値が表示されました。

ニンニクのニオイ対策に適しているという牛乳やヨーグルトはどうでしょうか?ニンニクのニオイの成分は脂溶性物質ですので、牛乳の脂肪に溶けだしてニオイ分子がなくなることがあるようです。実験したところ、”ニオイを感じる場合がある”という2の数値が表示されました。

ヨーグルトを試してみると、トロミがあり、口の中にしっかり浸透するし、酸っぱさで清涼感もあるのですが、牛乳のときと同じ結果でした。

口がすっきりするお茶類は、ニンニクのニオイは残りますが、後味は悪くないです。お茶に入っている成分であるカテキンやフラボンは消臭効果があるといわれていますので、やはり、たくさんのカテキンが入っている緑茶や香りが強めのジャスミンティーを飲んだ後はチェッカーの数値が低くなりました。

同様の消臭効果があるといわれているポリフェノールがたくさん入っている食材にも挑戦しました。リンゴやリンゴジュース、チョコレートを食べた後は、どれもチェッカーの数値は低くなりました。

市販のマウスケア用品で良かったのは液体の洗口剤です。アルコールの刺激で口の中がやや痛くなりますが、その刺激とミントの香りがやはりすっきりとして気持ちがいいです。チェッカーの数値もやはり低くなりました。

ニンニクを食べた後の対策を実験しましたが、食べる前の対策もあります。ニンニクを切らずに丸ごと電子レンジで熱を加えてから料理をすると、かなりニオイは軽減されます。

毎日朝と夜にニンニクを摂取していると、どんどんニンニクのニオイがからだに染みついていきそうになりました。ただ、意外なことは、自分で思っているよりも他人はそれほど気にならないようです。生のままのニンニクを摂取しすぎない限り、食べた後や翌日の口臭ケアをすれば、気にせずニンニクを楽しむことができそうです。

 しかし、どうして口臭は発生してしまうのでしょうか?口の中には何億もの細菌が住んでいて、その細菌が食べカス等を分解して代謝した物が口臭の原因となります。

口臭というのは、ニンニク等の一過性のニオイだけではなく、硫化水素やジメチルサルファイド等の腐敗したニオイもあるのです。口の中にためた呼気にこれらの成分がどれくらい入っているかで口臭があるかないかにわかれるのです。

そして口臭のある人の9割以上は、口腔内に何かしら問題があり、残りの人は、内臓疾患等による肺からのニオイだということが分かりました。胃が悪い人は口臭があるとされていますが、実を言うと胃の入り口は普通は閉じられているので、胃の中のニオイは感じることはできないのです。

服に染みついた嫌なニオイを消す方法

 ニンニク料理は大好きだけれど、洋服や髪の毛にニンニクのニオイが染みついてとれないので困ってしまうことはありませんか?強烈なニオイがついてしまうので、帰りに電車やバスに乗るのも気が引けてしまいます。

次にニンニク料理を食べた後にできるニオイを消す対策法、食べる前にニオイを予防する方法をお話します。ニンニクの嫌なニオイがしたままの洋服をクローゼットに片付けると、他の洋服にもニオイが移るのではないかと心配になりますよね。ニンニクのニオイを回避する方法は次の通りです。

簡単にできる6つの対応策

①飲食店を出たらすぐに、ニオイの染みついた洋服を振り払いましょう

 ニンニク料理屋を出たら、ジャケット等の洋服を風に当てるように大きく振り払います。こうすることで、洋服の表面に染み付いたニオイ分子をある程度除去できます。

繊維の隙間からニオイ分子が多少なりとも排出できます。ですが、この対応策では、まったくの無臭にするというわけにはいきませんので、あくまでも応急措置となります。

②ニオイの染み付いた洋服をドライヤーの冷風で当てましょう。

 帰宅後すぐに、ドライヤーの冷風を、20センチほど離したところから、洋服全体に当てましょう。繊維の中まで入り込んだニオイをすべて消臭するのは難しいですが、まずは表面のニオイを飛ばすことができるので、かなり軽減されるでしょう。

もちろんそれだけでも効果はありますが、できればニンニクのニオイが染み付いたジャケットやストール等を全部まとめてビニール袋(ごみ袋)に入れてください。10ヶ所ほど小さな穴を開け、口を小さくしぼり、そこからドライヤーの冷風を当ててください。

繊維の中の空気が変換されるので、かなりニオイ成分を消してくれます。洋服に染みついていたニンニクのニオイは、部屋の中に流れていきますので、換気扇を回す等して空気の入れ替えをしながら作業しましょう。

③ニオイの染み付いた洋服を、お湯を張った浴室の中に一晩ぶら下げておきましょう

 自宅で洗濯がなかなかできないコートやスーツは、お湯が張ってある湯気がたっているお風呂に一晩ぶら下げてください。湯気や湿気がニオイ成分を排出してくれます。

またお風呂にお湯を張らない方は、霧吹きで少し水を噴射するようにしても良いでしょう。水の微細な粒子が細かい繊維の中まで入りこみ、ニオイを消す作用があります。

あとは、通気が良い場所で陰干しすると、シワも伸びるのでキレイに仕上がります。この方法で気をつけて欲しいことは、生乾きの湿った状態では、決してクローゼットや箪笥に片付けないことです。カビが生えたり、虫の食害にあったりしてしまうので、きちんと乾かしてから片付けるようにしてください。

④ニオイの染み付いた洋服にアイロンの蒸気を当てましょう

 アイロンのスチーム機能を使って、ニオイの染み付いた洋服に、蒸気をしっかり当ててください。熱が蒸気とともに、繊維に染み付いたニオイ分子を蒸発させる効果があります。

すぐに効果が現れるのでおすすめの方法ではありますが、生地によっては、熱に弱い繊維もありますので、生地の洗濯タグ(素材タグ)を必ずチェックするようにしてください。

⑤市販の消臭スプレーを使いましょう

 手軽に使用できる商品として、除菌効果もある消臭スプレーを利用するのも良いでしょう。洗濯できないバッグや帽子等にも使えて便利です。

ポイントは、きっちりとスプレーすることです。10~20回ほど噴射しましょう。スプレーを使うときは、通気が良い場所で使用し、完全に乾燥させてから、クローゼットや箪笥に片付けるようにしましょう。

⑥市販の脱臭ハンガーを使いましょう

 洋服に染み付いたニオイは、丸ごと洗わなければ無臭にするにはかなり難しいです。ですがコートやスーツ等、自宅では洗濯できないような衣類を何枚もクリーニングに出しているとお金もかかるので、たいへんです。

ハンガーにかけるだけでニンニクのニオイを消してくれる脱臭ハンガーを用意しておけば、立て続けに洗うことができない衣類もクリーニングに出す必要が少なくなり、とても便利です。帰宅後、ハンガーにかけるだけなので、煩わしくないのも嬉しいです。

これらの対応策をしても、とれないようなニオイは、諦めてクリーニングに出すのが得策です。

ニンニクのニオイを洋服に染み付かせないために

ニオイが染みついてしまってから、急いでニオイを消そうとする方がほとんどですが、あらかじめちょっと工夫するだけで、ずいぶんニオイは気にならなくなります。

①消臭スプレーをあらかじめ吹きかけておきましょう

 衣類にホコリや皮脂がついていると、よりニオイが染み込みやすくなります。特にスーツやジャケットは、細かいホコリがいっぱいついているものです。

普段、汗をかいたあとはなるべく洗濯して、毎朝カーペットローラー等でマメにホコリを取り除いたり、スーツ等はブラッシングしたりしてホコリが残っていないようにすると、ニオイがつきにくくなります。

ホコリ等をきれいにしてから、あらかじめ消臭スプレーを吹きかけておくことでニオイが染み付くのを防いでくれます。

出かける前に消臭スプレーを吹きかけると、ニオイを消す効果だけでなく、ニオイが染み付くのを予防してくれますが、くれぐれも吹きかけすぎないよう気をつけてください。できれば、無香料の消臭スプレーにすると、料理の香りを壊さないのでマナー違反にならず安心です。

②コート等はあらかじめ脱いでおきましょう

 飲食店に入って、食べる前にもニオイが染み付かないようにする方法はあります。コートやストール等は飲食店に入ったらすぐに脱いでおきましょう。スーツのときは、ネクタイも取り外しておくと良いです。脱いだら、ハンガーに掛けずに、裏が表になるように出来るだけ小さくたたむようにしましょう。

布製品は、繊細な繊維がいくつも合わさって織られています。その繊維がニオイの分子を吸い込んでしまうことで、洋服にニオイが染みついてしまいます。

ニンニクのほかにも揚げた天ぷらやフライ、ステーキ等の油のニオイや、コトコト煮込んだ煮物や蕎麦のつゆ等で使われるしょうゆのニオイも繊維に染み付きやすいです。出来るだけ表面を小さくすることで、ニオイ分子が布製品に接触しないようにすることが重要です。

荷物用の籠があれば、そこに入れれば良いでしょう。もしもないときは、持参したバッグに入れてしまうのが良いでしょう。ビニールのゴミ袋等に入れて、その上からエコバッグ等に入れたなら、パーフェクトです。

~髪の毛に染み付いたニオイをとるには~

 帰宅してから、ニオイがついた洋服は洗濯すればいいので気にしないです、という方も中にはいますが、髪の毛に染みつくニンニクのニオイはさすがに気になるでしょう。どうすれば良いのでしょうか。

①ドライヤーの風を当てましょう

 髪の毛のニオイも衣類と同じように、ドライヤーでニオイをとるのが一番簡単ですし、髪の毛にも良い対策です。洗う時間がないときでも、ドライヤーで冷風を当てるだけでもニオイをとる効果があります。

②ドライシャンプーを使用しましょう

 シート状のドライシャンプーも販売されていますので、利用してみるのも良いでしょう。またドライシャンプーが売っていないときは、代わりにウェットティッシュで軽く髪を拭くことをおすすめします。

③頭皮ケアをするヘアスプレーを利用しましょう

 もともと、頭皮のニオイが気になる人用のヘアスプレーを利用するのも良いと思います。お好みの香りが選べますし、商品によっては、パチパチした刺激があるものもあり、気分転換にもなります。

飲食店を出る前にお手洗いで地肌にスプレーして、軽くマッサージします。ニンニクのニオイだけでなく、タバコや汗のニオイも軽減してくれます。携帯用のサイズもあるので、1本あるとかなり便利です。

ニンニクのニオイを髪の毛に染み付かせないために

髪の毛もニオイが染み付いてから対応するよりは、飲食店で食べる前にニオイを染み付かせないよう前もって準備すると後で困りません。

①長い髪の毛はまとめておきましょう

 髪の毛はまとめておいた方がニオイは染み付きにくいです。髪の毛をおろしたままだと、表面積が広いため、ニオイ分子が染み込みやすくなるので、ポニーテールやアップにする等、小さく束ねた方が良いでしょう。

そして、整えた後にヘアスプレーを吹きかけておくとより良いでしょう。

②ヘアフレグランス(ヘアコロン)を吹きかけましょう

 ヘアフレグランス(ヘアコロン)をご存知でしょうか?いわゆる香水の髪の毛バージョンといった商品です。

香水よりも自然な感じのソフトな香りを楽しむことができます。髪の毛にニンニクのニオイが染みつくことを防いでくれるヘアフレグランス(ヘアコロン)を外出する前に吹きかけておくことも良い対応策になります。タバコ等にも効き目がありますので、一つは準備しておいても損はありません。

ニンニク料理を食べたあとは、洋服だけでなくもちろん口臭も心配ですよね。焼肉やアルコール等、肉の過剰摂取で腸の中の環境が乱れてしまうことが口臭の原因の一つになります。

ニンニク料理の後の口臭は男性、女性どちらにとっても嫌なものです。特にランチでうっかりニンニクを摂取してしまい、午後からまだ仕事があるときは常識のない人だと思われてしまいます。次の方法でケアしましょう。

  • 消臭タブレットを使用しましょう

 一番簡単な方法は、消臭タブレットを利用することです。なぜなら、きちんと歯を磨いても、胃から立ち込めてくるニオイは消すことができないからです。

胃から立ち込めるニンニクのニオイをすばやく消し去る消臭タブレットは、コンビニ等ですぐに購入できます。ニオイが気になる食べ物を食べたときは、すぐに利用しましょう。

  • 食後すぐにお茶やコーヒーを飲みましょう

 ただ、食後すぐに飲まないとあまり効果がありません。ニンニク料理等を食べた後は、これらを30分以内に飲むことが理想です。

ニンニク料理を食べたあとは、口のニオイを消すためにも必ずこれらの飲み物を摂取するようにしてください。

ニンニクのニオイによる口臭を防ぐ対応策

 口の中のニオイも、衣類や髪の毛と同様に、あらかじめ準備しておける防止策があります。

①牛乳を飲みましょう

 ニンニク料理を食べる前に牛乳を飲みましょう。胃の粘膜を牛乳が包み込むため、ニオイの発生を予防してくれます。

②リンゴを食べましょう

 ニンニク料理を食べる前に、皮付きのままリンゴを食べると胃腸の具合を良くする作用があります。

③お茶を飲みましょう

 ニンニク料理を食べる場合、必ず水分とともに摂取してください。お酒やビールを飲みがちですが、ウーロン茶や緑茶を飲むことで、ニンニクのニオイを防止しましょう。

④アルコールを出来るだけ避けましょう

 お酒等のアルコールを飲むと、口の中のニオイはますます激しくなっていきます。食事後、まだ人と会う約束がある方は、社会人のマナーとしてアルコールは控えるという必要もあるのではないでしょうか。

ニンニク料理を食べた後の嫌なニオイを消す方法として、衣類、髪の毛、口のニオイの消臭対策と、ニオイを低減できる防止策をお話しました。

一家でニンニク料理を食べるのならまだしも、ひとりだけでニンニク料理を食べてきた、となると家の中に持ち帰られたニンニクのニオイは、食べていない家族にとっては耐え難いほど匂うものです。

あらかじめニンニクを食べる予定がわかっていれば、事前事後の予防策が実行できますし、急な約束で食べることになっても、事後の対策は可能ですので、安心してニンニク料理を楽しんでください。

黒にんにく・つぶくろ

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